温度感受性デンドリマー


 
 

  特定の温度において水溶性を変化させる温度感受性高分子はインテリジェント生体材料として活発に研究されています。私たちは温度応答機能をもつデンドリマーの研究を進めています。ポリN-イソプロピルアクリルアミドなどの温度感受性高分子がその温度応答特性を発現する際には、その側鎖間の相互作用が重要な役割を演じています。このような温度感受性高分子の側鎖構造をデンドリマー表面に集積化することで、デンドリマーに温度応答特性を付与できます。例えば、温度感受性高分子、ポリ(N-ビニルイソブチルアミド)の側鎖と共通するイソブチルアミド(IBAM)基を結合したデンドリマーは、低温では水溶性ですが、昇温すると特定の温度において急激に白濁して水不溶性になります。このようなデンドリマーの温度感受性は、末端基によって自在に制御することが可能です。温度感受性デンドリマーは、内部に様々なゲスト分子を内包することができるので、インテリジェントカプセルとして、薬物キャリアなど様々な分野への応用が期待できます。
    Y. Haba, A. Harada, T. Takagishi, K. Kono, J. Am. Chem. Soc., 126, 12760-12761 (2004).
    Y. Haba, C. Kojima, A. Harada, K. Kono, Angew. Chem. Int. Ed., 46, 234-237 (2007).
    K. Kono, T. Miyoshi, Y. Haba, E. Murakami, C. Kojima, A. Harada, J. Am. Chem. Soc., 129, 7222-7223(2007).

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