研究概要
アート・ギャラリー (Art Gallery)
雑誌表紙図案のオリジナルデザイン(パロディ版) |
![]() “Journal of Materials Chemistry B” cover (2022) |
![]() “Macromolecular Chemistry & Physics” cover & プレスリリース (2021) |
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“Macromolecular Bioscience” cover & プレスリリース (2021) |
“Nano Select” (2021) |
![]() 高分子学会パブリシティー賞 (2021 |
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![]() “Langmuir” cover (2020) |
![]() “高分子” Hot Topics (2020) |
![]() cover (2019) |
高校生・学部学生・一般の方へ
多くの原子が鎖状につながった巨大分子である「高分子(ポリマー)」は,他の低分子化合物とはひと味違ったユニークな特徴を持っています。これら高分子に特有の様々な性質を活かして,私たちの身の回りで,多くの高分子材料が利用されています。合成高分子化学研究グループでは,高分子合成や高分子化学を基盤として,従来の常識を超える新しい高分子材料を創り出す研究を行っています。「高分子合成」,「高分子構造制御」,「固体有機材料」,「光化学」,「環境・エネルギー」,「生体機能材料」,「医用高分子」などの分野で,高分子化学や高分子材料の新しい領域を切り拓くことを目標としています。基礎科学と応用研究のいずれも重視して,様々な角度から研究に取り組んでいます。『最先端の研究に化学・物理・生物の垣根はない!』ことを日々実践しています。
松本研究室に関心ある学生へのコメント
高分子合成化学研究グループでは,多様なテーマを取り扱っています。取り組むテーマによって関連する専門分野も異なります。いろいろな“化学”を消化吸収していくうちに,“化学”の真の面白さが見つかります。教科書などの机上の知識以外の様々な素養も求められます。今まで何を学んできたかだけでなく,これから何を学ぶかが大切です。自主性を発揮して,しっかり自己管理すれば,必ず成功につながります。楽しんで実験に取り組める人,発見に喜びを感じる人,新しいことに挑戦する意欲ある人を歓迎します。
卒業論文,大学院修士課程,博士課程へと進学して,研究を進めるうちに学会発表のチャンスが何度もあります。様々な学会の年会・討論会、若手研究会、シンポジウム、国際会議などに参加して、あなたの世界を広げてみませんか。
研究八策(満足できる研究生活を送るためのヒント)
- 磨けば光る原石を瓦礫の中から見つけだす(勘と感性が大切)
- 常識にとらわれないでまずやってみる(知識や判断力は必要)
- 流行ものは人にまかせて信念を持ち続ける(何かこだわりを)
- 積算量で勝てなくても微分値なら勝負できる(最大瞬間風速)
- コミュニティで自分の存在を認めさせる(小さな世界でよい)
- 自分の支援者をひとりでも多く見つける(特に外からの支援)
- 小さなチャンスを逃さない(チャンスは知らずに通り過ぎる)
- 真の研究テーマは実験から生まれる(永遠に変わらない法則)
企業・研究者向の方へ
研究グループが取り組んでいるテーマの紹介
松本章一・研究紹介 その1:高機能耐熱透明ポリマー材料の設計
・シークエンス制御重合によるポリマーの機能設計【キーワード】共重合,ラジカル交互共重合,前末端基制御,高性能高分子,ポリマレイミド
・高耐熱透明有機無機ハイブリッド材料の開発【キーワード】耐熱性ポリマー,ポリマレイミド,ナノ微粒子,透明材料,ポリマーコーティング
・新規耐熱透明ポリマー材料の開発【キーワード】透明樹脂,熱可塑性ポリマー,ポリマーフィルム,ディスプレイ材料,光学特性
ラジカル重合の利点を活かして高耐熱透明性ポリマーの反応設計を行っています。配列制御重合による超耐熱性マレイミド系ポリマーを活用したポリイミドに匹敵する超耐熱ビニルポリマーを設計し、有機無機ハイブリッド材料にも展開しています。アダマンチル基を含む高Tgポリマー開発にも取り組んでアクリルポリマーの常識を超える耐熱性ポリマーが得られています。
松本章一・研究紹介 その2:異種材料接合と易解体性接着法の開発
・異種材料接着接合の開発【キーワード】金属・樹脂接着接合,エポキシモノリス,高強度接着接合
・高強度・強靭性ポリマー複合材料の開発【キーワード】共連続ネットワークポリマー,有機複合ポリマー材料,犠牲的破壊機構
・易解体性接着および分解性ポリマー材料の設計【キーワード】易解体性接着,BOC保護ポリマー,残渣フリー分解性ポリマー
金属やガラスと樹脂などの異種材料間の接着接合法としてモノリス接合法を見出し、応用展開を行っています。また、モノリスの空隙に別の樹脂を充填した共連続ネットワークポリマーCNPが高い破断強度を示すことも見出し、破壊機構の解明に取り組んでいます。また、従来から易解体性接着材料の開発も行っており、解体条件にあわせた材料開発を進めています。
松本章一・研究紹介 その3:有機結晶・液晶を用いたポリマー材料設計
・超分子系カラムナ―液晶性の分子設計と機能化【キーワード】ディスコチック液晶,自己組織化,ジアセチレン化合物,共役ポリマー
・固相重合によポリジアセチレンの合成と電子機能設計【キーワード】トポケミカル重合,共役ポリマー,導電性ポリマー,有機エレクトロニクス
ジアセチレン化合物の固相や液晶相での重合によって共役ポリマーを合成し,特異な電子機能をもつポリマー材料を設計しています。新規なエレクトロニクス材料の開発を目標にしています。
児島千恵・研究紹介 その1:デンドリマーを用いた機能性材料の作製
・ペプチド結合デンドリマーによる人工蛋白質の作製【キーワード】デンドリマー,ペプチド,蛋白質,酵素応答,腫瘍ホーミング,細胞外マトリックス
・疎水性アミノ酸結合デンドリマーによる温度・pH応答性材料の作製【キーワード】デンドリマー,アミノ酸,温度応答性,pH応答性
・ポリエチレングリコール(PEG)修飾デンドリマーによるがんへのドラッグデリバリーシステム(DDS)【キーワード】デンドリマー,PEG,DDS,血中滞留性,水和,がん
・アニオン性末端デンドリマーによるリンパ節、免疫細胞へのDDS【キーワード】デンドリマー,アニオン性,DDS,リンパ節,免疫細胞,がん免疫療法
ユニークな構造をもつデンドリマーの末端に様々な機能性分子を結合させることで、様々な機能性デンドリマーを作製しています。デンドリマー内部にも物質を担持させることができるので、さらなる高機能化を目指すとともに、DDSやイメージングなどのナノメディシンとしての研究を行っています。
児島千恵・研究紹介 その2:高分子ゲルを用いた組織透明化
・高分子ゲルを用いた組織透明化【キーワード】高分子ゲル,イオン,組織透明化,蛍光イメージング
現在、生体組織を3次元的でイメージングする技術の開発が進められています。CLARITY法は高分子ゲルを用いて生体組織を透明化する手法であり、様々な組織の透明化に用いられています。私たちは、高分子ゲルの構造を改変することで、従来技術では透明化が難しかったがん組織の透明化に取り組んでいます。